今年はアメリカへ渡りアスレティックトレーナーを目指します。TOEFLや留学準備の毎日です。ichihara0707@gmail.com    


by ichiharatr

人生初の経験


ここで「経験」になったと言えるのもすべて大事には至らなかったからですが、日頃から自分がアスレティックトレーナーという立場で常に意識していたことが実際に起こったため、書き留めておこうと思います。
今日、U-19GCBとしてJapan vs USAの試合が行われました。第4QにUSAの選手がタックルをしにいった際、そのまま相手選手の上に倒れこみ、全く動かない状況になりました。
恐らくその瞬間、一過性の四肢麻痺を起こしたのではないかというような体勢で、USAのヘッドトレーナーと私、そしてサポートして頂いたドクターがフィールドへ走り出ました。
仰臥位になった時点で眼が上方へ移動し、小刻みに振動している状態。こちらの問いかけにも最初は答えませんでしたが、すぐに意識を取り戻し反応が返ってきました。
「ここはどこ?今何をしている?」など記憶に関してCheckをして問題なし。健忘はない様子。
眼球運動、視覚、聴覚OK。表情を変えられる。そこから、四肢が動くかどうか、知覚は問題ないか、「Please calm down」と彼女はしきりに選手を落ち着かせ、すべてのCHECKを何の迷いもなく行っていきます。気がつくと、USAの監督が横にいて選手のヘルメットを押さえ、動かないように固定をしていました。脊髄損傷の可能性を監督も長年の経験からわかっていたのでしょう。私が行うべきことでしたが、そこでは彼女の評価を見守るしかできませんでした。
途中、Japanのヘッドトレーナーとドクターもヘルプに来て頂き、スパインボードへ移動することになりました。評価の段階で可能性は減少していましたが、ここからログロール開始です。
ログロールとは、頚椎損傷の可能性がある選手を頭部を固定して、スパインボードへ移動し運ぶことです。一度、側臥位の状態へ持っていきます。ここでも側臥位にした状態で、もう一度彼女は細かくCHECK。そして、1、2、3の合図でボードをすべり込ませ、固定具でヘルメットのまま固定します。ヘルメットをしているため、バンドが届かずテーピングで固定しました。
この一連の処置をグラウンドの真ん中で5分くらいはしていたでしょうか。試合は完全に中断し、私にはとてつもなく長い時間に感じていました。
その後、救急車で病院へ。最終的に脳震盪という診断で、ホストファミリーのところへ帰ったということ。本当に大事に至らなくてよかった。

そして、この経験を通していくつか感じたことがあります。

まず、ATCである彼女の対応がすばらしかったということ。最悪のことを考えて、すべき対応はすべてしたのではないでしょうか。試合後、診察結果を聞いてその処置が大げさだったという人も中にはいましたが、私はむしろ今回くらい慎重に行うべきだと再認識しました。そして、私がまず目指したいサイドラインスペシャリストとしてのATCの強さをまざまざと見ることができました。やはりこのような状況で冷静に対応ができるアスレティックトレーナーになりたいと。

昨年から自分の中にもそうですが、周りに対しても緊急時の準備は怠らないように。
どんな時にでも今回のようなことが起こるという心構えを持つように言い続けて、自問してきました。やはり直接今回のようなシチュエーションに自分が対応することになった場合、どこまでできたか疑問ですが今の立場ではできる対応はすべて行っていました。
そのため、病院搬送などその後の対応は問題なく行えました。
◇AEDはどこへあるのか?⇒事務所の中。グラウンドから1,2分。事務の方に試合前使う可能性があると話をしに行った。
◇救急ではどこの病院へ行くのか?⇒すぐ近くに救急受け入れの病院あり。
◇誰でも連絡できる状態へ。⇒TR全員に電話番号登録。
◇試合当日の朝、病院へ試合が行われること、救急で運ぶ可能性があることを伝える。

やはりスポーツ現場で活動する学生TRにはもっともっとEmergency Planを考える必要があるということ。
Emergencyプロトコルはできているのか?CPR、AEDのやり方を訓練できているのか?
Unitとしての動き方、ログロールなど定期的な訓練は?
学生だけで現場をみている所はこのOFFシーズンを使ってぜひもう一度見直すべきところです。いつ、誰が、どこでこのような状況を向かえるかわかりません。そこで助けられるのかTRしかいないかもしれません。

今回の経験で改めて命を預かる仕事なのだと実感しました。先日のアメフト医科学研究会でも脳震盪に関しては触れられ、SCATという評価法も紹介されました。私の大学はSACとBESSを使っていましたが、基本的には同じ評価方法です。そこで、NATAのHEAD UPというビデオも紹介されたので、載せておきます。私も基本的にはあまりこういう場面を見るのは好きではないですが、やはりスペアリングをしないなど大切なことは解説してあるようです。
今回はまさに最初に出てくるNFLかカレッジの映像と似たような姿勢でした。
http://www.nata.org/consumer/headsup.htm

 
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by ichiharatr | 2008-03-23 00:47 | Athletic Training